ポケモンスカーレット・バイオレットのDLCにて、ゼイユというトレーナーが初登場しました。ゼイユは個性豊かな名(迷)言を多く残しています。そんなゼイユのセリフは英語verではどのように表現されているのか気になりました。そこで、ゼイユのセリフを日本語と英語で見比べながら、英語を勉強していきます。
ゼイユのセリフだけでも、碧の仮面、藍の円盤、番外編まで含めると結構な量があります。そのため、シーンごとに区切りながら、少しずつ見ていきたいと思います。まずはDLC前半の碧の仮面から、冒頭のスイリョクタウン入り口でのゼイユのバトルと、公民館前でのペア決めの2つのシーンから気になるフレーズをピックアップします。
発売から時間はそこそこ経過していますが、念のためネタバレ注意でお願いします。
基礎情報
ゼイユ:Carmine
スグリ:Kieran(スグ:Kiki)
シーン1:スイリョクタウン入り口でのバトル
まずは、冒頭のスイリョクタウン入り口でのシーンです。
「スグ うるさい」
バトルがしたいだけだとスグリに言われた際のセリフです。ちなみに、これが初めてのゼイユ腕プルプルのシーンでもあります。このセリフは英語では以下のように表現されています。
I told you to hush, Kiki!
「hush」は、「人に静かにするように言う時」、「相手に黙っていてほしい時」に使われます。このセリフの前にゼイユはスグリに「黙って」と一度言っており、それを受けてのセリフです。「黙ってって言ったでしょ」というニュアンスかなと思います。
また「hush hush」と2連続で言うことで、秘密のという意味になります。
例文: Tom and Karen are trying to keep the trip hash hash. トムとカレンは旅行のことを秘密にしようとしている。
「まずは 土の味 噛みしめなさい」
ゼイユとの初バトルの際のセリフですね。多くの名言がありますが、これもそのうちの一つかなと思います。英語ではどうでしょうか。
For your first experience, get ready to eat dirt!
直訳すると、「土を食べる準備をしなさい!」でしょうか。直球ですね。一応「eat dirt」には、話し言葉で「屈辱を味わう」という意味があります。この直後に「キタカミの洗礼はどうだった」というセリフがあります。そう言う意味では、屈辱を味わうという意味でとらえてもそんなに外れていないし、土を噛むみしめるにもかかっているので、とてもマッチした表現だなと思いました。
また、「キタカミの洗礼はどうだった」に対しては、「taste of Kitakam」という英語になっていました。土の味を噛みしめるに対する「eat dirt」は機知にとんだ訳ですが、普通に噛みしめる、味わうに対しては「taste」が使えますね。
「ま ぎりぎり 合格ってとこかな」
ゼイユとの初めてのバトルに勝った後のセリフです。
…Fine, I guess you pass. Barely.
「~だと思う」を表すフレーズには、「guess」、「think」、「believe」などあります。これらの中でも「guess」は一番確信度が低い表現です。
「barely」は「ぎりぎり」という意味で使われています。
「チッ めんどくさ」
ゼイユが主人公を舎弟にしようとしていた時に、管理人さんがやってきました。その時のセリフです。こういう悪態リアルでいいですね!
Tch. Here comes trouble…
「tch」はそのまま日本語の「チッ」に相当する言葉で、舌打ちするときによく使われます。
次の「めんどくさ」に相当する部分ですが、面倒なのが来たよという感じになってます。通常の語順である「Trouble comes here」に比べると、より感情が入った言い方です。今回はトラブルなのでややネガティブなニュアンスがありますが、ポジティブな文脈でも使用できます。最後のtroubleを別の名詞に置き換えるだけで応用ができるので、実際に使って感覚を身に着けていきましょう。
例) Here comes the bullet train. 新幹線が来た。 Here she comes. 彼女がやってきた。(※sheなどの代名詞はhereとcomeの間に入る)
シーン2:パートナー決め
続いては、公民館前での自己紹介とそのあとのペア決めのシーンを見ていきます。
「自分から 来るとは 感心 感心」
公民館前での自己紹介後に、ゼイユに話しかけに行く時のセリフです。
Gosh, it’s so sweet of you to go out of your way like that. What would we ever do without you?
まず思ったのは、英語verだと非常に長い文章になっていますね。1文ずつ見ていきましょう。
1文目の「go out of one’s way」ですが、これは、自分の道からoutするというイメージから、「わざわざ~する」、「普段以上に頑張って~する」を意味するフレーズです。
2文目ですが、そのまま意味を解釈すると、「あなたなしで何ができるのだろう」、つまり、「あなたなしだと何もできないだろう」という意味になります。あなたがいて助かったという感謝の意味でも使われます。しかし、ゼイユの口調から相手に感謝している様子は感じられません。そのため、皮肉的に言っているのかなと思います。
「誰が バカだ! 手え出るよ!」
みんな大好き、「手え出るよ!」です。ゼイユの代名詞といっても過言ではないセリフですね。英語ではどのような表現になっているのでしょうか。
HEY! Watch who you call “dummy”, if you know what’s good for you!
「dummy」は「馬鹿なやつ」という口語の意味があります。前半部分は「誰を馬鹿と呼ぶか気をつけろ」という意味で、セリフの「誰が バカだ」に相当します。
続いて後半の「if you know what’s good for you」です。このフレーズは、脅すようなイメージで、「トラブルを避けたいなら」、「何が自分のためになるかわかっているなら」というニュアンスを持ちます。
そのためつなげると、「何が自分のためになるかわかっているなら、誰をバカと呼ぶか気を付けろ」という感じですね。少し言い方を変えると、「バカって呼んだらどうなるかわかるよな」というニュアンスにもとれるでしょうか。
(残念ながら?)「手え出るよ」に対応する直接の訳はありませんでしたね。
「自分から 言い出せないだろうし」
スグリが主人公とバトルしたいけど言い出せないから、代わりにゼイユが主人公にお願いしているシーンのセリフです。
He’d probably never work up the nerve to ask you himself
「work up the nerve」は、「勇気を出して、思い切って~する」という意味のフレーズです。日本語の「言い出せない」には、状況にもよりますが、単にできないと言っているのではなく、その裏には勇気がなくてできないというニュアンスが込められていると思っています。英語ではそれがしっかり表現されています。
また、ここでは仮定法が使われています。「~だろう」に相当する部分です。仮定法の使いどころがなかなか掴めない私ですが、実際の例文を通して感覚を掴んでいきたいです。
「あたしは テキトーに やるから」
主人公とスグリがペアになることが決まった後のセリフです。
I’ll go find some chump to pair up with too.
日本語は便利ですね。テキトーにするって言うだけで、あとは文脈で何とかなりますから。英語ではしっかり何をするのかを言っています。ちなみにここでの「chump」は、「ばか、まぬけ(騙されやすいような)」という意味です。相変わらずあたりが強いゼイユです。
最後に
皆さんのお気に入りのセリフはありましたか?ポケモンSVを懐かしみながら英語を勉強していきましょう。
良ければ続きもご覧ください。
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