ゼイユのセリフを振り返りながら、英語を勉強していきましょう。今回は、碧の仮面のから次の2つのシーンを取り上げます。「お祭り前のゼイユ家での会話やバトル」と「キタカミセンターでのお祭り」です。
発売から時間はそこそこ経過していますが、念のためネタバレ注意でお願いします。セリフは基本的にすべてポケットモンスタースカーレット・バイオレットからの引用になります。
基礎情報
ゼイユ:Carmine
スグリ:Kieran(スグ:Kiki)
シーン3:お祭り前のゼイユ家での会話やバトル
ゼイユ家でのお面の取り合いシーンからのセリフです。
「早い者勝ち」
「早い者勝ち」は3回登場します。①ゼイユが離れの倉庫に走っていく時。②早い者勝ちだからお面なしでいいよねと主人公に言う時。③お面を主人公に貸そうとするスグリを諌める時です。それぞれどんなフレーズが使われているか見てみましょう。
First one there wins!(①)
First come, first served(②、③)
①は、「そこに最初に行った人の勝ちだよ」、というニュアンスで比較的直訳に近いと思います。②、③のセリフで使われている「First come, first served」は、「早い者勝ち」、「先着順」を言いたいときによく使われるフレーズになります。
他にも、「Whoever comes first wins」と言う言い方もあります。「comes first」の個所を変えるだけでいろいろ応用できる表現です。
Whoever eats the most wins. 一番食べた人の勝ち。 Whoever scores the least must take the trush out. 一番点数が低かった人がゴミだしね。
「じんべえ姿に 見とれて いいよ その間に 倒しちゃうから」
自信満々なでも憎めないゼイユっぽいセリフです。お面をもらえない代わりにゼイユからもらえるご褒美ですね。
Feel free to be dazzled by how great I look in my jinbei. I’ll win while you’re distracted!
「dazzle」とは「(光などで)目をくらませる」という意味があります。また、受身形で使われる場合は、「(美しさなどで)夢中にさせる」の意味でも使われます。今回はまさに後者の意味になります。
次に、「how great I look in my jinbei」の部分を見ていきます。「人 look good in 服・色」で「~が似合う」という意味の表現になります。これも日常的によく使う表現ですので、ぜひ覚えていきましょう。
Yes, you look really great in your jinbei. そうだね、本当にしんべえ似合ってるね。 Tom looks good in pink. トムはピンクが似合う。
最後の、「その間に倒しちゃうから」の部分はどのように表現されているでしょうか。日本語では「その間」だけで言いたいことが言えてしまいます。しかし、英語だと具体的に何をしている間なのかを述べています。「その間」をパット日本語に訳そうとして何というんだろう?と固まってしまうことがありますが、そんな時は「while + 具体的な動作」の形で表現してみるといいですね。
ちなみに、「見とれている」は「distracted」と表現されています。ゼイユとのバトル勝利後に、「じんべえ姿に見とれなさいよ!」ともう一度「見とれる」が登場します。この時は「enamored and distracted」と表現されています。「enamor」は「夢中にさせる」、「魅惑する」という意味があります。難しい単語ですが、ゼイユの美しさに夢中になり気が散ってしまうことを表すためにはとてもいい表現かなと思います。
シーン4:キタカミセンターでのお祭り
ここら辺から、主人公とゼイユの距離感が縮まっていきますね。
「弟のくせに ナマイキ!」
オモテ祭りのことを語るゼイユは、全然わかってないとスグリに笑われます。その時のゼイユのセリフです。
Pretty gutsy of you to laugh at your big sis!
「gutsy」は「勇気のある」、「断固たる」という意味の単語です。日本語だと直接批判してますが、英語では、姉を笑うなんて勇気あるわねといった感じで皮肉っぽい表現となっています。「性格や性質を表す形容詞 + of + 人」の構文は学校でも習ったかと思います。今回の例では、スグリ自体が勇敢と言っているよりは、スグリが姉を笑ったことに対して勇敢だと言っています。
「ムカつきすぎて 気絶しそうよおお!!」
自分の代わりに鬼退治で主人公を負かすようにスグリに行ったが、嫌だと断られた際のセリフです。
That makes me so annoyed I think I’m gonna black out!
thatが省略されていますが、いわゆる「so that」構文ですね。「black out」は「停電する」や「意識を失う」という意味のフレーズです。「pass out」も「気絶する」という似た意味を持つので一緒に覚えておきたいです。「be going to」は「~するつもり」と習いました。日本語だと「気絶しそう」と「気絶するつもり」はニュアンスが違ってきますが、英語では単純に未来形を使えばよいので、話すときはあまり細かいことは考える必要なないですね。
「ねえ 勝手に 行かないでよ さっきの子も おーい!」
先に行ってしまった主人公とオーガポンを追いかけてきたときのゼイユです。
You shouldn’t run off on your own. Hey, new kid! That goes for you too!
「run off」は「(突然)どこかへ行く」を意味するフレーズです。そこに「on your own」がつながって、「一人で勝手にどこかへ行く」ニュアンスが出ています。
続いて「go for」です。これは複数の意味がありますが、ここでは「~にも当てはまる」となります。日常的に使う日本語であれば、「~もね」というニュアンスで使えそうです。例えば、兄弟がけんかして親が兄を叱っているとします。それを隣で聞いている弟が兄を笑った時に親に「That goes for you」って言われるって感じでしょうか。
「ふー なんとか ごまかせたか」
主人公と2人でオーガポンに遭ったことをスグリに気づかれずに安心したゼイユのセリフです。
Whew. At least he didn’t figure out what we were really taking about.
ごまかす、日本語はこれだけで十分意味が伝わるのでとても便利ですね。このセリフを英語を読んでいるときは何とも思いませんが、いざ自分がしゃべるとなると「ごまかす」を直訳しようとして、なんて言うんだろう?って止まってしまうなと思います。便利な日本語に惑わされずに、簡単な単語を使って具体的な内容を話すことが重要だと感じます。
「あんた ビビる 急に ぶっこむんだもん」
先ほどのセリフに続くセリフです。
Don’t scare me like that—blabbing for the whole world to hear! Don’t you have any filter?
冒頭部分はそんなふうに脅かさないでよという感じで特に大丈夫かなと思います。「そんなふう」がどんなふうかというと、そのあとのblabbing以下で述べられています。「blab」は「秘密や余計なことをべらべらしゃばえる」という意味を持ちます。
後半の文章では、「have no filter」というフレーズが使われています。口にフィルターがない様子から、「考えなしに言う」、「率直に言う」という意味があります。
最後に
何回か綴っていますが、私はどうしても英語を喋るときに日本語の単語をそのまま訳そうとすることが多々あります。しかし、こうやって実際の英語のセリフを見てみると、何か1単語で表現しているというよりは、簡単な単語を使ってちゃんと具体的な内容を言っていることが多いなと、今回特に感じました。こういうところを意識して、無理に訳そうとせずに英語らしい英語を喋れるように学習していきたいですね。
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